2011年12月13日火曜日

企業理念と不祥事


最近オリンパスと大王製紙の不祥事が明るみに出ました。

オリンパスは、「生活者として社会と融合し、価値観を共有しながら事業を通して新しい価値を提案し、人々の健康と幸せな生活を実現する」という理念を掲げています。

一方大王製紙は、「顧客に最も近く位置し、絶えず時代の要請を迅速・的確に捉え、着実で長期に安定した成長を持続するとともに、地球環境と調和した事業活動を展開し、株主・取引先・従業員・地域住民に信頼される総合製紙企業集団として、社会の生活・文化産業の発展に貢献します」という理念を掲げています。

このような立派な理念を掲げながら、過去の経営者が理念に基づき堅実な経営をしていたのなら、不祥事は起きなかったはずです。

「お客様の健康で快適な生活を実現する」という理念を掲げている大手のドラッグストアがあります。この会社の店舗では、健康食品とタバコを販売しています。この会社の理念とタバコを販売することは矛盾しているのではないかとこの会社に問い合わせたところ、担当者は「タバコががんの原因になることは承知しているが、顧客が必要としているものを販売する」と回答しました。

目先のことだけ考えれば、企業としてタバコを販売すれば、収益も増えるでしょう。しかし「タバコを吸って健康で快適な生活を実現したい」と考える人はいないはずです。

タバコを販売することは、法令違反ではありませんが、明らかにこの会社が掲げる理念に反しています。理念に反する行動をとると、どのようなことが起きるか、この会社の経営者は今回の不祥事から学ぶべきです。


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