2012年3月29日木曜日

日本人の英語講師が必要な英語力

私はこれまで主に Daily Yomiuri (DY) を使って英語の勉強をしてきました。自分が身につけたい英語力があり、今日はこれを書いてみたいと思います。

私が普段DYを読んでいる理由はいくつかあります。
1 読売新聞を読んでいる
2 日刊の英字新聞の中で最安の2965円/月
3 日本のニュースが英語で書かれている

DYには読売新聞に掲載された記事が英訳されているものがあるので、読売新聞を読んでおくとDYが読みやすいと言えます。

私も正直言って、なかなか2965円分は読めませんが、2965円分読むことは目標です。

日本のニュースが英語で書かれているので、日本に住む外国人と英語で話をする際やNHKのニュースを英語で見る際に、DYを読んでいると役に立ちます。

私は何年も前からDYを読んでいますが、読む度に知らない単語の多さを痛感します。DYは18ページの時もあれば、22ページの時もあります。平均して20ページだと思います。私が20ページ全部読んだら2時間以上かかります。私はDYを読みながら、知らない単語が出てくると赤線を引きますが、その場では立ち止まって辞書で調べることはしません。

ここまでのやり方はこれまでと同じですが、今年は勉強法を改めました。仮に20ページ読んだとして、1ページあたり赤線を何本引いたかということを計算しています。ちなみに今日読んだDYには1ページあたり、5・8回赤線を引いた計算です。これを中期的には1・0以下にしたいのです。

日本で普通に教育を受けた大人であれば、どんな職業に従事している人でも、読売新聞は読めます。読売新聞が読める日本語の能力があることを自慢する日本人はいないと思います。それはどうしてか。読売新聞は専門家向けに書かれたものではなく、一般の人向けに書かれたものだからです。

アメリカにDYを持って行って、「自分はこれを読める能力がある」と自慢する日本人はいるでしょうか。移民が多いアメリカでそんなことをしても、「So what? (だからどうした)」と言われるだけでしょう。

読売新聞が専門家向けに書かれたものでないのと同様、DYも専門家向けに書かれたものではありません。もし英語でまともな話がしたいと考えるのであれば、英字新聞を読んで知らない単語を減らすことを考えるべきです。「英会話教室に通えば英語が話せるようになる」とは思わないでください。1週間に1回英会話教室に通うだけで、英語がしゃべれるようにはなりません。英会話教室に通うのは自由ですが、家庭学習の方がはるかに重要です。週に1回1時間のレッスンを受けるとしたら、それの何10倍もの時間、家庭で英語の勉強をする必要があります。DYは毎日何時間読んでも、月々わずか2965円です。

日本人でも読売新聞を読めば,いくつか知らない漢字なり表現が出ます。これはしょうがないと思います。私も「DYを読んで知らない単語がゼロになればいい」とは思いません。しかし1ページあたり1・0以下になれば、日本人の英語学習者として十分だと思います。

日本人の英語講師で、「DYを読んで知らない単語は1ページあたり1個以下」と言える人はあまりいないと思います。「こんな英語力は必要ない」、「こんな英語力では不十分」という意見が、他の英語講師から出るかもしれません。でもこれくらいの英語力はあってもいいと思います。

「DYを読んで知らない単語は1ページあたり1個以下」といつ言えるようになるかは分かりませんが,勉強を続けていけば、近い将来こう言える日が来ると信じています。もしこう言えるようになったら、次の目標を考えます。

2012年3月24日土曜日

おかしな日本語

テレビを見たり新聞を読んだりしていると、日本語がおかしいと感じることが毎日あります。何がおかしいのか、英語講師の立場で書いてみます。

A    最近オープンしたそのお店。
B そのお店は最近オープンした。

皆さんはこの2つを見てどう感じるでしょうか。この2つは同じでしょうか。最近テレビや新聞でAの言い方を見たり聞いたりしますが、中途半端な終わらせ方をしていると思います。もしAの書き方だと、「最近オープンしたそのお店」がどうしたのかが書いてないのです。例えば、「最近オープンしたそのお店は、とても人気がある」となるべきです。

日本語は主語述語という関係で成り立ちます。Aはこの関係になっていないので、不完全だと言えます。Bはこの関係になっているので、完全な文だと言えます。

Aを英語に訳してみます。
The shop that opened recently.
ここで使われているthatは関係代名詞であり、The shop that opened recently. は不完全です。「最近オープンしたそのお店は、とても人気がある」だったら、The shop that opened recently is very popular. となり、完全な文です。

Bを訳してみます。
The shop opened recently.
これは主語動詞の関係になっているので、きちんと訳せます。

英語講師として、Aのような表現を見たり聞いたりすると、関係代名詞を使って書かなければいけないと思いつつ、不完全な文になってしまうので、おかしいと感じます。

私はNHKや読売新聞社に文法的な間違いを指摘しましたが、一向に改善されません。日本語を話したり書いたりするプロが、どうして間違った日本語を使うのか、私は理解できません。

正しい日本語を使うように心がけましょう。

2012年3月20日火曜日

忘れるから生きていられる

英語講師をしていると、「どうしらた単語を覚えられるのか」とよくきかれます。

単語を覚えるためには、書く・同じ単語を複数の辞書で調べてみる・同じものを何度も見たり聞いたりするというようなことをすればいいと思います。忘れたくないものは、何度も意識する必要があると思います。

しかし私は「人間 は忘れるから生きていられる」とも思います。日々の生活の中で、だれにでも嫌なことや悲しいことはあります。しかしどんなに辛いことがあっても、時間がたてば軽減され、結局忘れることもあります。

嫌なことがあって、それを毎日意識していたら、精神的に参ってしまうかもしれません。人間辛いことがあっても、いつかは忘れるようにできているのです。だから生きていられるのです。

紙の辞書と電子辞書

最近家電量販店に行くと、様々な種類の電子辞書が売っています。紙の辞書と電子辞書はどのように違うのでしょうか。

私が電子辞書を初めて買ったのは、半導体関係の機械の通訳をした時です。場所がクリーンルームということで、紙の辞書は持ち込み禁止でした。そこで電子辞書を買うことになったのですが、通訳の先輩にどの機種がいいのか相談しました。先輩が薦めてくれたプロの通訳が使う電子辞書は、専門用語が何百万語も載っているもので、大変高価なものでした。先輩に「〇〇の電子辞書は高い」と言ったところ、その先輩は「直樹君、高い辞書を買ってもとを取るのよ!」と教えてくれました。確かにこの高価な辞書は仕事で役に立ちました。

紙の辞書と電子辞書の大きな違いはときかれたら、「紙の辞書は電池が切れる心配がない」と答えます。通訳の仕事中に電子辞書の電池が切れたら、大変なことになります。

電子辞書は軽く、英和辞典だけではなく、和英辞典・国語辞典などなど、たくさんの辞書が収録されています。あれだけの辞書を紙のもので持ち歩こうとしたら大変なことになります。

しかし私は英語の勉強のためということを考えると,紙の「ジーニアス英和辞典」を薦めます。なぜ今の時代に電子辞書より紙の辞書を薦めるかと言えば,高価な電子辞書を買っても使いこなせない方がいるからです。これでは宝の持ち腐れです。「ジーニアス英和辞典」は3465円ですが、いい電子辞書を買うには、これの10倍は出す必要があると思います。私の知る限り、大半の電子辞書に「ジーニアス英和辞典」が収録されています。

私の仕事は辞書の使い方を説明することでもあります。紙の辞書で1度に見られる範囲と電子辞書で見られる範囲を比べてみると、紙の辞書の方がはるかに広いということが分かります。紙の辞書であれば、例文を読むのにいちいちボタンを押す必要がありませんし、一度引いた単語に線を引くこともできます。

紙の辞書だと文字の大きさを変更することができないので、年配の方で字が大きい方がいいという方には、電子辞書は最適です。

紙の辞書を長年使っていると、黒くなってきます。こうなれば、使いこんでいる証拠です。ただ言葉は生き物ですから、変わってきます。黒くなった辞書には愛着がありますが、辞書は定期的に生まれ変わります。現在は「ジーニアス英和辞典」(第4版)が売られていますが、第5版が出たら,基本的に第4版は引退です。

辞書を編纂するために、何十人・何百人の方が執筆しているか、私は知りませんが,執筆した方を全部招待して講演してもらったら、決して3465円ではすみません。こう考えれば,5〜6年毎に3465円かけても、高くはありませんね。




2012年3月18日日曜日

英英辞典のよさ

皆さんは英英辞典を使ったことがあるでしょうか。私が普段使っている英英辞典のご紹介をしようと思います。

「英英辞典で単語を引いたら余計分からなくなる」と感じている方もいるのではないでしょうか。確かに英英辞典には日本語が一切書いてありませんが、3000単語程度知っていて、中学レベルの英語力があれば、十分英英辞典を使いこなすことができます。

私は以前ブログで「ジーニアス英和辞典」をお薦めしました。この辞書は日本人の英語学習者に最適だと思いますが,この世の中に完璧な辞書は存在しません。各辞書に短所と長所があります。

厳密に言えば、「ジーニアス英和辞典」に単語の意味は書いてありません。この辞書に書いてあるのは、日本語の訳語です。「日本語で言えば、これが近いのではないか」という訳語を載せているのです。

日本語の新聞を読んでいて、知らない言葉が出てきた時に、わざわざ和英辞典で意味を確認する人はいないと思います。私だったら、国語辞典で調べます。

英英辞典は英単語の意味を分かりやすく簡単な言い回しで説明してある辞書です。busという単語を「ジーニアス英和辞典」と「Collins Cobuild Advanced Dictionary」で調べてみます。「ジーニアス英和辞典」には、「バス」と書いてあります。これはもちろん意味ではありません。「Collins Cobuild Advanced Dictionary」にはこう定義されています。「A bus is a large motor vehicle which carries passengers from one place to another. Buses drive along particular routes, and you have to pay when you travel in them.」こう書いてあれば、中学レベルの文法力のある方なら、十分理解できると思います。

「ジーニアス英和辞典」で単語を引いた時に,「こんな言い回しをするかな」と思うことがたまにあります。こんな時は英英辞典の方が逆にわかりやすいことがあります。

英語を読んだり聞いたりした時に、英語のまま理解できれば最高ですね。普段から英英辞典にも慣れ,英語を英語のまま理解する訓練をしてみるのはどうでしょうか。




2012年3月15日木曜日

「先生」は差別用語

私は10年以上英語講師として仕事をしており、4〜5年前までは「先生」と呼ばれることに違和感はありませんでしたが、あることがきっかけになり、「先生は差別用語」だと思うようになりました。

私は数年前まで企業でよく通訳の仕事もしていました。ある企業で私を「栗原君」と呼ぶ人がいました。「栗原君」と呼ばれることは構わないのですが、英語を教える時は「先生」と呼ばれ、精密機械の専門用語を覚えて同時通訳をする時は「栗原君」と呼ばれることに納得できませんでした。

この世の中は様々な職業に就いている人がいるからこそ成り立つのであり、職業によって「先生」と呼ばれたり、呼ばれなかったりするのは差別だと思うようになりました。

私は英語を教えることで生活しています。私は自営業者の一人にすぎません。私は受講者から料金をいただき、その料金に従ってサービスを提供しているだけです。よって私と受講者は対等な立場です。受講者が講師を「先生」と呼ぶ必要は全くありません。

近所の小中学校が地元住民のために発行した便りが、定期的に回覧板とともにまわってきます。この便りを読むと、教職員に「先生」という敬称が付いていました。「本校の教職員を先生と呼びなさい」と近隣の住民に呼びかけているように見え、私はこのことを地元の小中学校に抗議しました。以前近所の中学の校長はHPに、「保護者や地域の皆様の協力をいただきながら、信頼される学校づくりに尽力」と書いていましたが、私は佐野市民として、非常に残念に思います。

「教師は先生と呼ばれて当たり前」という考えを持っているから、地元住民向けの便りにも「先生」という敬称を付けて、間違いだと気がつかないのです。「先生」と呼ばれて、恥をかくことはあっても、得をすることはありません。「先生」とは人間として大切な常識と謙虚さを失わせてしまう危険な言葉です。

教育現場では、生徒に「〇〇校長」・「〇〇教頭」・「〇〇教諭」と呼ばせるのが適切だと思います。生徒に一律で「先生」と呼ばせるのではなく、「組織には様々な役職に就く人がいるからこそ成り立っている」と教えることも大切です。

「校長先生」や「教頭先生」など、役職名に「先生」という敬称を付けることは、文法的にも間違っています。例えば 佐野市民が市長に「岡部市長」と呼びかけたら失礼でしょうか。市民は市長を「岡部市長先生」と呼ばなければいけないのでしょうか。

教師が生徒に「私たちのことは先生と呼びなさい。それ以外の職業に就く人はさん付けでいい」と指導することは決して正しい教育ではありません。こんな教育をしたら、他の職業に従事する人に失礼です。教師は「様々な職業に従事している人がいるからこそ、この世の中は成り立っている」と教えるべきです。「自分を先生と呼ぶように」と生徒に仕向けることは、教師の傲慢です。「実るほど首を垂れる稲穂かな」という名言があります。教育者こそ「先生」と呼ばれてはいけないのです。「先生」と呼ばれることに生き甲斐を感じている人は、即刻辞職すべきです。

警察白書によると、東日本大震災の際、殉職した警察官は25人で、行方不明の警察官は5人だそうです。警察官は「おまわりさん」と呼ばれることはあっても、「先生」と呼ばれることはありません。教師になれば、1年目から「先生」と呼ばれます。一般企業であれば、新入社員が「先生」と呼ばれることはありえません。市民の安全を守るため、命がけで職務を遂行する警察官は「先生」と呼ばれず、何も分からない新米教師は「先生」と呼ばれることが理解できません。社会人1年目から「先生」と呼ばれたら、彼らの人生を狂わせてしまうことにもなりかねません。大学を卒業してすぐに教師になるのではなく、数年一般企業に勤めるべきです。

私は英語講師なので、できるだけ日本語の新聞と英字新聞を読むように心がけています。英字新聞を読むと、まだまだ知らない単語が多いことを痛感します。私もまだまだ英語を勉強する立場です。教師の仕事は「生徒に真摯に学び続ける姿を見せること」だと思います。

私は特に初めて会う方に、「私を先生と呼ばないでください」とお願いしますが、今でも私を「先生」と呼ぶ人がいるのは事実です。私は他の人を「先生」と呼ぶのも嫌いで、自分が「先生」と呼ばれるのも嫌いです。「先生」という言葉は死語になればいいと思います。私の名前は「先生」ではありません。「栗原さん」か「直樹さん」と呼ばれた方が、ずっと嬉しいのです。私は受講者と対等な立場でいたいのです。




TOEICの個別指導

佐野市内にお住まいの方でも、TOEICを受ける方はいるはずです。

私は企業でTOEICの講座をこれまでに10年以上教えてきました。受講者からよく聞く話は、「全然点が上がらない」、「勉強のやり方が分からない」などです。

企業でTOEICの講座を担当する時でも、最初はToeicの問題集は使いません。TOEICの問題集を使う前に,中学レベルの文法の基礎が大切だと考え,中学生用の文法の基礎の問題集から始めます。中学レベルの基礎力がない方が、TOEICの問題集から始めたら、英語嫌いになるだけです。

TOEICを受ける方に適切だと思う中学レベルの問題集は、「くわしい英文法中学1〜3年」(文英堂)です。この問題集とジーニアス英和辞典(大修館書店)が最適です。「ジーニス英和辞典」の使い方も説明します。

「くわしい英文法中学1〜3年」をまずやってから、Toeicの問題集に進むのが理想です。TOEICの問題集に入ると,中学レベルの基礎が大切だということがきっと分かっていただけると思います。

TOEICは全部で7つのパートから成り立っており、各パートで点を上げるためのこつを説明します。

私は現在自宅で小学生から社会人まで教えていますが、Toeicを希望の方でも他の方と同じで、自宅で教えた場合のプライベート料金は90分で4000円です。

TOEICの個別指導をご希望の方には、「くわしい英文法中学1〜3年」をサービスします。是非ご連絡ください。

2012年3月14日水曜日

有名な個別指導塾は本当に得なのか

先日ある個別指導を売りにする塾のちらしを見ました。

このちらしにはこう書いてあります。「講師は複数の生徒を担当し、順番に見ていきます。そうすることで、生徒が一人になって、自分の力で考える時間が生まれるからです。」

確かにこの広告が言うことに一理ありますが、本当の理由は「1対1で教えたら採算が合わないから」ではないでしょうか。

この個別指導の塾で、週1回90分の授業を月に4回受けた場合の授業料が16000円だったとします。1回90分の授業を受けて,4000円という計算になりますが、講師が同時に3人掛け持ちだったとしたら、30分の授業に4000円払っていることになります。90分の授業のうち、実際に指導を受けるのは30分で,「自分の力で考える時間」が60分もあることになります。

私が自宅で教えた場合のプライベート料金は90分で4000円です。親子で一緒に受講する方はいますが、同じ時間に全く関係のない方を掛け持ちで教えることは絶対にありません。