2012年3月20日火曜日

紙の辞書と電子辞書

最近家電量販店に行くと、様々な種類の電子辞書が売っています。紙の辞書と電子辞書はどのように違うのでしょうか。

私が電子辞書を初めて買ったのは、半導体関係の機械の通訳をした時です。場所がクリーンルームということで、紙の辞書は持ち込み禁止でした。そこで電子辞書を買うことになったのですが、通訳の先輩にどの機種がいいのか相談しました。先輩が薦めてくれたプロの通訳が使う電子辞書は、専門用語が何百万語も載っているもので、大変高価なものでした。先輩に「〇〇の電子辞書は高い」と言ったところ、その先輩は「直樹君、高い辞書を買ってもとを取るのよ!」と教えてくれました。確かにこの高価な辞書は仕事で役に立ちました。

紙の辞書と電子辞書の大きな違いはときかれたら、「紙の辞書は電池が切れる心配がない」と答えます。通訳の仕事中に電子辞書の電池が切れたら、大変なことになります。

電子辞書は軽く、英和辞典だけではなく、和英辞典・国語辞典などなど、たくさんの辞書が収録されています。あれだけの辞書を紙のもので持ち歩こうとしたら大変なことになります。

しかし私は英語の勉強のためということを考えると,紙の「ジーニアス英和辞典」を薦めます。なぜ今の時代に電子辞書より紙の辞書を薦めるかと言えば,高価な電子辞書を買っても使いこなせない方がいるからです。これでは宝の持ち腐れです。「ジーニアス英和辞典」は3465円ですが、いい電子辞書を買うには、これの10倍は出す必要があると思います。私の知る限り、大半の電子辞書に「ジーニアス英和辞典」が収録されています。

私の仕事は辞書の使い方を説明することでもあります。紙の辞書で1度に見られる範囲と電子辞書で見られる範囲を比べてみると、紙の辞書の方がはるかに広いということが分かります。紙の辞書であれば、例文を読むのにいちいちボタンを押す必要がありませんし、一度引いた単語に線を引くこともできます。

紙の辞書だと文字の大きさを変更することができないので、年配の方で字が大きい方がいいという方には、電子辞書は最適です。

紙の辞書を長年使っていると、黒くなってきます。こうなれば、使いこんでいる証拠です。ただ言葉は生き物ですから、変わってきます。黒くなった辞書には愛着がありますが、辞書は定期的に生まれ変わります。現在は「ジーニアス英和辞典」(第4版)が売られていますが、第5版が出たら,基本的に第4版は引退です。

辞書を編纂するために、何十人・何百人の方が執筆しているか、私は知りませんが,執筆した方を全部招待して講演してもらったら、決して3465円ではすみません。こう考えれば,5〜6年毎に3465円かけても、高くはありませんね。




0 件のコメント:

コメントを投稿