2013年3月17日日曜日

「これでわかる英文法 中学1〜3年」に間違い多数

私は「これでわかる英文法 中学1〜3年」(文英堂)を、これまでブログで推奨し、授業でも使ってきました。この問題集は中学レベルの文法事項が1冊にまとまっていて便利なので、これからも使い続けることは確かですが、明らかに間違っている問題があります。これまでこの問題集を推奨してきただけに、今日は間違いを指摘します。

文法の問題集とはいえ、100パーセント正しいと思うのは危険です。間違いはあるのです。この問題集をお持ちの方は,間違いを探してみてください。

6ページ
「be動詞を文のはじめに置き,」と書いてありますが、Where are you from? など、疑問文でもbe動詞が文のはじめに来ない場合もあるので、「be動詞を主語の前に置き、」と書くべきです。

8ページ
右側の注釈に police offcer と2カ所に書いてありますが、正しくは police officer です。

16ページ
「スプーン3杯のサラダ油」という問題があり、解答を見ると,正解は spoonfuls of です。ジーニアス英和辞典を見ると,spoon にも「スプーン1杯(分)」という意味が載っているので、この問題では、spoons of も正解です。

22ページ
She goes to school with us. という例文の下に「weの目的語」と書いてありますが、正しくは「weの目的格」です。

22ページ
my father's car(父の車)と書いてありますが、代名詞のページなので、(私の父の車)と書くべきです。

24ページ
I like my father's car. という例文があり、my father's car を代名詞で言い換える問題です。解答には it と書いてありますが、his には「彼のもの」という意味があるので、his でも正解です。この問題には2つ正解があることになります。

24ページ
「これは私の自転車です。私の友人もそれを持っています。」と書いてあります。「それを」と書いてあると、it を選んでしまう人がいると思いますが,one が正解です。「それを」と書くのが間違いのもとで、「1台」と書くべきです。

25ページ
「それは彼のネコです。その名前はタマです。」と書いてあります。「その」と書いてあると、The と書いてしまう人がいるかもしれませんが、解答は Its です。「その名前」ではなく、「それの名前」と書いてあれば、Its と書く人が増えると思います。

25ページ
We have lots of rain in June. を It rains a lot in June. と書き換える問題があります。23ページの例文では、much が使われているので、この問題でも much を使うべきだと思います。lots of を a lot と書き換えさせる問題は、中学生には難しすぎると思います。

27ページ
「彼女はドラマを見ているところです。」という例文を、She is watching dramas 〜.
 と書き換える問題があります。dramas と複数形になっていると、「彼女は同時に複数のドラマをみている。」ことになります。でも実際、テレビで同時に複数のドラマを見る人は少ないと思います。この問題は、She is watching a drama 〜 と書くべきだと思います。

27ページ
Bob is practicing judo. という例文があります。解答を見ると,「ボブは柔道を練習しているところです。」と書いてあります。武道の場合は、「練習」ではなく、「稽古」と言った方が適切だと思います。「ボブは柔道の稽古をしているところです。」と書くべきだと思います。

31ページ
I was playing baseball. という過去進行形の例文が載っていますが、過去進行形の場合、いつの時点のことなのかを示さないと使う意味がないので、この例文は不完全と言えます。例えば,I was playing baseball AT THAT TIME. と書くべきです。

32ページ
The boy (was played, was play, was playing) the drums. という例文がありますが、上記のようにこれにもいつの時点のことなのか示す語句がないので、不完全と言えます。

40ページ
(1) We (should) learn a lot about Asia.
(2) You (had better) go there at once.
解答はこのようになっています。had better の方が should より意味が強いと言えますが,(1)に had better を入れて,(2)に should を入れても間違いではありません。

41ページ
(Will) you wash the glasses? という質問に対する答えは,All right. となっていますが、文法的には、No, I won't. でも正解です。しかし、Will you 〜? という疑問文に対して,No, I won't. と答えてしまうと、「やなこった。」という意味に聞こえるので、もしだめな場合、例えば、I'm sorry I'm busy now. というように答えるのが普通です。

41ページ
「電車の中では静かにすべきです。」と書いてありますが、解答には You must be quiet in trains. と書いてあります。これを訳すと,「電車の中では静かにしなければなりません。」となり、日本語と英語の意味が合いません。選択肢の中に,must ではなく should を入れるか,「〜静かにしなければなりません。」と日本語を変える必要があります。

49ページ
HELP に not 〜 always と書いてあります。こう書いてあると、not と always の間に何か入るのかという印象を持ちますが,何も入りません。not always と書くべきです。

79ページ
「きのうペンをなくしてしまった。」という例文がありますが、この問題は現在完了を使って書き換えることになっています。この例文を英語にすると、I lost my pen yesterday. となり、これを現在完了で使って書いたら間違いです。

89ページ
「私は今度の日曜日何もすることはありません。」と書いてありますが、解答には、I have nothing to do this Sunday. と書いてあります。「今度の日曜日」と書いてあるので、I WILL have nothing to do this Sunday. と書くべきです。

92ページ
(you, do, opening, mind) the window? と書いてありますが、この下の解答欄に、the window? がぬけています。

125ページ
Meg asked her mother to wake up at six. という例文があります。解答には「メグは母に6時に起こしてくれるように頼みました。」と書いてありますが、この場合の wake には目的語がないので、自動詞として使われていることがわかります。ということは、「起こす」ではなく、「目を覚ます」という意味です。この例文を正しく訳すと,「メグは母に6時に目を覚ますように頼みました。」となり、お母さんが6時に目を覚ませばいいのであって、メグは何時に目が覚めようが関係ありません。「メグは母に6時に起こしてくれるように頼みました。」を正しく訳せば、Meg asked her mother to get HER up at six. となります。wake up と get up は違います。wake up してもすぐに get up するとは限りません。

131ページ
『私たちは、それを沖縄の言葉で「ゴーヤ」と呼んでいます。』と書いてあり、解答には、We call it Goya in Okinawa language. と書いてあります。ジーニアス英和辞典で language を引くと、(個々の)言語、the Japanese language と書いてあるので、We call it in THE Okinawa language.  となるべきです。

もしかしたらこれ以外にも間違いがあるかもしれません。これまで「これでわかる英文法」を愛用してきましたが、今日はあえて厳しいことを言います。文法書としてあるまじき間違いが多すぎます。出版社は早く間違いに気づいて、是非訂正してほしいと思います。





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