2020年12月13日日曜日

謙遜していた通訳のI先輩

15年以上前、ある自動車会社の研究所で、通訳のI先輩と知り合いました。当時僕は駆け出しの通訳でしたが、I先輩は数10年の経験をお持ちで、僕から見れば企業通訳の大ベテランでした。そんなI先輩が、「長くやっているだけだよ」と謙遜して話していたことを、今でも覚えています。

この研究所では他にもO先輩とも知り合い、I先輩やO先輩から別の仕事も紹介していただき、様々な企業で通訳をする機会がありました。あれだけの緊張状態で長年通訳をしていれば、英語力がつくことは間違いないとよくわかりましたが、僕は通訳には向いていないと自覚し、数年で辞めました。同時通訳の技術はもちろんこの当時身につけたもので、今でも役に立っています。

僕が英語を教えるようになってから20年以上がたち、I先輩が「長くやっているだけだよ」と言った気持ちが、少しわかるような気がします。長年英語講師をしていると、様々な教材に接します。英検だと5級から準1級まで、中学1年生から高校3年生が使う教科書や問題集、高校・大学入試の過去問、大学生が使っている教材、Toeicの問題集など、切りがありません。I先輩が言っていたように、長年やっていると、いろいろなことを教えられることになったことに気がつきます。

「栗原君、元気でやっているかい?」とたまにはI先輩に会いたくなる時があります。








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