2014年3月23日日曜日

忘れられない大学での授業

僕がニュージーランドのワイカト大学で勉強していた頃、Social and Moral Philosophy (社会道徳哲学)という講義を取りました。 何気なくとった講義ですが、この講義が今一番思いでに残っています。

この講義を担当していたのは、Dr Alastair Gunn というイギリス出身の講師でした。この当時でもう何十年もニュージーランドに住んでいたはずですが、イギリス英語のアクセントがかなり強く残っていました。

この講義では、「中絶は女性の権利として認められるべきかどうか」、「死刑は凶悪犯罪の抑止力があるのかどうか」、「発展途上国に援助する必要があるのかどうか」など正解がない内容でした。

この講義の出席者は数100人いたので、講義と個別レッスンがありました。この個別レッスンでは賛成派と反対派に分かれて、議論をしました。この時の講師の名前は忘れてしまったのですが、長髪でサンダルを履いてくる人でした。これがこの大学の持つ雰囲気で、不思議だとは思いませんでした。

この科目は正解がないので、論文を書いて提出するのですが、例えば「自分はこれこれこう思うから、死刑には反対」という書き方をしました。たとえ自分の考え方と講師の考え方が違っていたとしても、しっかりとした論文を書けば、評価されました。

Dr Alastair Gunn の名前で検索したところ、数年前に亡くなっていたことが分かりました。「大変有意義な授業、ありがとうございました。あなたの講義を懐かしく思う生徒が日本にいることを、是非知ってほしいと思います。」

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